翻訳の仕事

2022年を振り返って

こんにちは。

あっという間に今年も大晦日ですね。

ということで、今年をざっくり振り返ります。

今年は、特許翻訳者として稼働し始めてから3年目に入った年でした。

目標達成状況

去年の年末に、こちらの記事で次の目標を設定しました。これに沿ってみていきます。

  1. 売上目標(今年と同額)
  2. 平均時給換算金額を今年の+500円に
  3. B社のレートアップ

1. 売上目標

去年の売上+70万弱でした。売上目標は無事達成です!

とはいえ、実は来月納期の大型案件を思いっきり前倒しして年内ぎりぎり納品したのが効いています。来年はインボイス制度も始まりますし、できれば今年に入れてしまいたいとペースを上げたので、12月はかなりハードな日々でした。

 

もともと去年の今頃、2022年の売上を「2021年と同額」と設定したのは学習に時間を割くためでした。

正直なところ、当初思い描いていたほど学習時間は取らず、その分目先の売上のために時間を割いた形になります。

ですが、後述しますがやはり「稼ぐのは今」だと思うので、案件の理解に必要な分は都度学習していることもあり、「学習時間」の確保にあまりこだわらなくてもいいかと今は思っています。

 

2. 平均時給換算金額

2021年は平均約2350円(中央値2312円)でしたので目標値は2850円になります。

これに対して、平均2479円(中央値2500円)という結果でした。

 

言い訳めいていますが、やはり時給換算金額を目標にするのはあまり適切ではないのかなとも思っています。

今年の上半期を振り返ったときにも書きましたが、案件の難易度の差に左右される部分が大きいからです。トライアル合格後の数回なども、普段より慎重になったり慣れていない分、時間がかかりますし。

それでも生産性の指標としては意義のあるものなので、これからも常に時給換算金額を高める改善は行っていきます。

去年+150円なのは、正直なところ「もう少し上げたかった」という気持ちがあります。来年以降も少しずつでも上げていきます。

 

3. B社のレートアップ

これまで、A社とB社の2社から同じ分野の案件を経常的に受注していました。

A社のほうがレートが若干高く、B社の案件を受けた後、A社の良い案件がスケジュール的に受けられない、という状況が大きなストレスになることがよくありました。

レート交渉の結果、無事A社とほぼ同等のレートまで改訂して頂いたのでこの状況は改善されつつあります。

 

3つ中2つの目標が達成できました。数値的には満足ですが、感情的に少し満足できていないところもあります。次以降に今年のトピックスとして思うところを3つほど挙げてみます。

トピックス1. 3年目の悩み

今年は、もちろん個別の案件での悩みもありましたが、案件をどのように受けていくかについてこれまで以上に悩みました。

 

1年目は、標準的な納期に自分の作業スピードが追いついておらずとにかく目の前の案件に必死でした。

2年目は、設定当時かなりきついと思っていた年間の売上目標を達成するのにやはり必死でした。

3年目の今年、限られた時間をどのように使って売上を最大化していくべきかを日々考えていました。

 

やはり、経験を積んで少し「余裕」が出てきたのだと思います。

売上についても単純にレートの高さのみで考えられない部分も多く、「稼ぎやすい」1社のみの案件でスケジュールを埋めるのも、その方が売上は上がると思いますが個人的にはリスクが高いと考えています。

リスクについては、2社で回している私の状況が既にリスクが高い(もっと分散させるべき)と感じる方も多いと思いますが、このあたりは個々人の属性や考え方で異なるでしょう。

 

今年秋にトライアルを受けた先(C社)も無事合格し、初案件も納品済みで次の打診も来る状態ではあるのですが、あまり積極的には受注しない予定でいます。

というのも、レートはA社と同等ですが、その他の条件などを勘案すると、A社とB社でうまく回っているところに入れるメリットがないと感じるからです。

 

去年は、A社案件の売上全体に占める比率が9割近かったのですが、これを7割弱まで下げました。

A社からの誰もやりたがらないような(割に合わない)案件もお断りしているので、A社からしたらおそらく「貢献度」は去年より下がっているはずです。

私が依頼する側だとしても「いつも何でも受けてくれる人」はありがたいです。でも、翻訳者側から見たらそれではレベルもQOLも上がりにくいでしょう。

依頼する側が「あの人なら間違いないからこの案件を是非お願いしたい」と思える翻訳者であれば、ある程度自分のスケジュールをコントロールしながら売上を最大化できるのだと思います。

そういう翻訳者であるべく、1件1件、質の高い納品を積み重ねていきたいと思っています。

 

トピックス2. ストレスに弱いということに気づく

今年は売上目標を達成したものの、少し感情的に満足できていない、ということを書きました。

この理由は、突然やる気を失ってしまい数日復帰できないときが何度かあり、それがなければ売上はもっと伸びていたと思うからです。

 

「突然やる気を失う」とは、イメージ的にはブレーカーが落ちた状態に近いです。

それまで普通にしていたのに、急に仕事ももちろん、散歩も自炊もしたくない、ひどいときはふとんから動きたくない、という状態になることがありました。

きっかけとしては本当に些細なもので、10分昼寝するつもりが1時間寝てしまい、そこから何もかもどうでもよくなってしまう、といったものです。

初めはモチベーションの問題だと思っていたのですが、今年も後半に入ってから、ようやくこの現象の正体が「ストレス過多で自律神経が乱れていること」だろうと判明しました。

要は、ストレスが危険水域にあるのに気づいておらず、あと一押しのところできっかけ(昼寝し過ぎるなど)が起きて危険水域を突破して自律神経が働かなくなり無気力状態になってしまうようです。

ストレスと自律神経の関係は、この本がコンパクトながら一番わかりやすかったです。

今取り入れている対応策は、

・自分が今どのくらいのストレスレベルにあるのかを常に把握すること

・ストレスを感じたら行う行動を決めておくこと

です。

 

決して仕事がストレスになっていて辛いわけではなく(むしろ今、これまでの人生のなかでQOLが一番高いです)、ストレスとの付き合い方がよくなかったというだけです。

それこそ幼少時からこういうことは結構あったのですが、この数年間は必死すぎてそんな傾向があったことすら忘れていました。これもある意味、「余裕」が出てきたからこそでしょうね・・・。

確実に改善されてきているので、ストレスマネジメントは来年も意識して取り組んでいきます。

 

トピックス3.思いっきり仕事ができる今、仕事にコミットすべし

私は独身一人暮らしなので、100%時間を自分のために使える状態です。

実際に、日常生活で必要な時間以外はすべて仕事(関連する学習や調査含めて)に充てています。

 

これがどれほど幸せなことか。

そしてこの生活は永遠に続けられるものではなく、案外すぐ「終わり」が来るかもしれない。

そんな思いを強くした出来事が2つありました。

ひとつは自分が緑内障と診断されたこと。もうひとつは父親のアルコール依存症が悪化しているということです。

 

緑内障については、すぐにどうこうなるものでもないですし、そもそも現時点では、自分がどのような経過をたどるのかもまだわかりません(最低1年くらい見ないと進行スピードは見えてこないのです)。

それでも、「目の寿命=翻訳者としての寿命」ということは否応なしに考えさせられましたし、60代になればおそらく生活に何らかの支障が出ているのではないかとも思います。

これについては、今やれることはすべてやっているので過度な心配をせず、淡々と状況を受け入れるしかないとは思っています。

 

どちらかというと、父親のアルコール依存症の方が深刻です。

詳細は長くなるので省きますが、肝硬変になって食事制限がついても、依存症治療の病院から退院後、またすぐ飲酒に戻ってしまうので文字通り「どうしようもない」です。

母が今のところ見てくれており、弟も近くに住んではいるのですが、何かあったら実家に戻ることも考える必要があります。

こちらも、とりあえず腹をくくっておくことしかできません。

 

なので、今は自分がやれること、すなわち仕事に全力投球すべきだなという思いを新たにしています。

 

来年の目標

来年の目標はシンプルです。

  1. 売上額:今年の売上+30万
  2. 「停電」しても1日で復旧する(前半)→「停電」しない(後半)

②の「停電」は、上で書いた「何もやる気がなくなる状態」を指します。①についてはかなり高い目標ですが、ストレスマネジメントが上手くいけば、今の自分であれば達成できるはずです。

 

来年も、ぼちぼちとブログを更新する予定です。

引き続き、よろしくお願いいたします。

それでは、よいお年をお迎えください。