「4000rpmで30分間スピンコートする」
昨日のIBM対訳シリーズ学習中に、しでかした誤訳です。
30分間→30秒間が正解で、secondsとminutesを見間違えるという、
ケアレスミスです。
もちろん、これ自体も学習中だからと言って許されないミスなんですが、それ以上に、「30分スピンコート」におかしさを感じなかった方が大問題なのです。
なぜかというと、文脈的にあり得ないからです。
クレープのレシピに「フライパンで30分焼く」と書いてあるのに素通りしてしまうレベルです。
ちなみにスピンコートとはシリコンウエハ上に薄膜を形成する方法で、おおよそ数十秒で完了する工程です。
上の動画等を見て、スピンコートがどういうものかはわかった上で翻訳してました。
しかも、対訳シリーズを進めるにあたって、私は下記のように自分と約束をしました。
- 訳した内容がわかっているか、人に説明できるか確認してからビデオを進める
- どうしてもわからないのならどこがわからないか書いてから進める
この文章も、自分では「わかった」と判断していました。
参考までに原文は、「The azide functionalized silicon-containing resist is then spin applied at 4000 rpm for 30 seconds onto the hardened polyimide underlayer to obtain a 0.3 μm thick film. 」(US5385804Aより)です。
なぜ、このミスに気付かなかったんでしょう。
ちょうど集中力が切れていたのは確かですが、まだまだ「本当にわかった上で訳す」ということができていないのだと思います。
スピンコートといったら装置はすぐ頭に浮かんできますが、前工程が何で、何のためにその工程があって、具体的にどういうプロセスなのかまでイメージして訳せていませんでした。
これじゃ結局、置き換えているのと一緒だ。
仮に原文が「30分間」と誤っていた時に、違和感を覚えるかどうか。そして検索して、その違和感を論理的に検証してコメントをつけられるかどうか。
これができなきゃプロにはなれないのだと思います。
言葉に対する感度を上げる、イメージを鮮明に持つ。あまりに抽象的ですが、もう一段深く「本当にわかっているか」と自分に問いつつ、進めていきたいと思います。
ちなみにですが、実際にスピンコートがどのくらいの回転数で何秒間行われているのか検索したときに、不思議な明細書に出会いました。
基板1を150℃で20分間の脱水ベークを行った後、PMGIワニス〔SAL110;(発売元シプレイ社)をシンナで2倍に希釈〕を2000rpm で30秒間スピンコートによって塗布し、185℃で30分間ホットプレートでベークを行い、0.3μm の膜厚のPMGI層7を得、この上にノボラック系フォトレジスト(OFPR8600−30cp)を3000rpm で30分間スピンコート後、90℃で20分間のプリベークを行い約1μmの膜厚のフォトレジスト層8を得たところを示す。
(JPH07161711Aより抜粋)
もしや本当に30分間スピンコートもあり得るのか?と思って読んだんですが、これはやはり、30秒間の誤りではないかと思われます。
8/29(水)の学習記録
学習時間:14h40m
項目: IBM社レジスト特許を読む(58)途中から~(64)途中まで
目標: 15h 実績: 14h40m
項目: 求人情報検索など
目標: 1h 実績: 1h10m
8/30(木)の学習計画
項目: IBM社レジスト特許を読む(64)途中から~
目標: 7h10m