日々の学習記録

私は鋼になりたい。

没タイトル:変態のススメ

外から作用する力に負けない強さ、

凹んでも元に戻るしなやかさ、

用途に応じて自在にその姿を変える適応力の高さ。

 

それらを併せ持った鉄は、通常「鋼」と呼ばれる。

鉄は「焼きを入れる」ことで強い「鋼」になる。

でも、どんな鉄でも強くなるわけじゃない。

 

純粋培養のお嬢様のごとく、

混じりっけなしの純鉄はいくら「ヤキ」を入れても、

また元の状態に戻ってしまう。

ひとしきり叩かれるだけ叩かれて、痛い思いをしても、

そこに変化はない。

 

鉄が強い鋼になる理由。

それは、炭素という「変化の素」が鉄原子の中に潜んでいるから。

炭素原子の存在によって、鉄は焼入れ後の冷却時に性質を変える。

そして炭素の量や冷却の方法の違いによって、多様性に富んだ変化を示す。

 

 

ビデオセミナーは、受講生への焼入れのようなものだろう。

ビデオは変化のトリガー。

見てるだけじゃ、何の変化はない。

 

もっと上へ行く、やってやる、今に見てろという気持ち。

理想の生活のために、こんなことでへこたれないという気持ち。

そんな「変化の素」があるからこそ変化を起こし、

強く、しなやかに変化していく。

 

そして、

焼入れで得た「熱」をどうやって冷やしていくかによって

得られる鋼の組織は変わる。

 

同じような「ヤキ」を入れられても、

その熱をどう処理するかで「結果」は変わる。

硬く強くなるのか、粘り強くなるのか、

はたまたボロボロになって折れてしまうほどただ硬くなってしまうのか。

「結果」をどう変えるかは、焼きを入れられる側の熱の受け止め方次第だ。

 

同じような話は、実は100万人の金属学の紹介の時にしようと思っていた。

メタファーが面白すぎてついついそちらメインの記事にしてしまった。

この本は本当に何度でもおすすめしたい。