2/22の学習記録
ADCの明細書を翻訳したものを公開訳と比較(13h)
引き続き、公開訳と比較しつつ、自分の訳文をチェックしています。
相変わらず誤訳が見つかるので、その度に立ち止まり原因を考え(ほぼ、「本当にわかっていなかった」ことに起因するのですが)、その時に正しく翻訳するのに必要だったはずの知識を補充しながら進めています。
「お前は一体何を考えて訳してたんだ」と言いたくなることが何度かありました。
例えば、実施例からの一文です。
DMA、DMSOはそれぞれ溶媒で、DTNBが試薬の名前です。原液を希釈した液はここでは被験物質です。
原文
Dilutions of the stock solution were prepared in Assay buffer made to 3% (v/v) DMA, and then 100 mM DTNB in DMSO (1/100th volume) was added.
自分の訳
原液を希釈した液を3%(v/v)DMAとしたアッセイバッファー中で調製し、次いでDMSO(1/100の量)中に100mM DTNBを添加した。
公開訳
3%(v/v)DMAにしたアッセイ緩衝液中に該原液の希釈物を調製し、その後DMSO中の100mMDTNB(1/100容量)を添加した。
試薬(DNTB)の量と溶媒(DMSO)の量が逆になっています。
普通に考えても、溶媒に対して試薬というのはごくわずかな量になるはずです。
そして、この試薬について少し調べれば、どのように使用するのかがわかります。それと明細書上の記載と合わせて見ていけばよいだけの話です。
例えば、
【試薬】
・DTNB溶液:DTNB 39.6 mg をリン酸緩衝液(pH7.0)10 mLに溶解する。
(グッド緩衝液やトリス緩衝液でも良い)
【操作方法】
1.SH基を含む未知試料溶液3.0 mL にリン酸緩衝液(pH8.0)2.0 mLと蒸留水5.0 mLを加える。
2.(1)の液から3 mLを採取し、DTNB溶液 0.02 mLを加える。
3.一定時間後(1時間など)、412 nmで測定する。
https://www.dojindo.co.jp/products/D029/より
これでみると、DMSOは試薬のDTNBを溶液にするために使用しているということがわかります。
訳出当初、この試薬についてはどういう用途なのか(チオール基の量を同定するためです)などについては調べていたのですが、どういう操作が行われるのかを調べていませんでした。
脳内で勝手に実験をして、辻褄をあわせていました。
実施例はわかっていると思っても図解する、と翻訳スキームにはあるのに守っていないことがそもそもの問題です。
守っていないのは、「わかっていない」ことに気づいていないからです。あとは、やはり全てを図解するのは面倒だと考えてしまった部分もあります(実施例の他の部分は一部、図解していました)。
どうやったらスキームを確実に守れるのかは考え中ですが、バイオ実験についてはもう少し系統的に学習する必要があります。
これまで、明細書で出てくる度に「バイオ実験ノート」に追加していました。
ちょうど今日のビデオ(3440_受講生ブログへのコメント)でも、「実験について勉強したら?」というアドバイスを頂きました。アドバイスありがとうございました。
ビデオで紹介のあった本はいくつか購入しました。
特に、基礎生化学実験法 を元にして、その他の資料や本、明細書などでバイオ系実験の実施例が正確に、スムーズに訳せることを目標に学習を進めます。
これ以外に、今回の翻訳学習を通じて、やはりバイオ系全体の基礎がまだまだ弱いと実感したので、上記のバイオ実験の学習も含めて、少し集中して基礎学習をする時間を取る予定です。
まだ、スケジューリングはこれからですが、2~3週間程度を考えています。
テキストは手持ちの、Essential細胞生物学と大学生物学の教科書(分子遺伝学)を読破することを目標にします。
Essentialの方は、2~3割は一度は読んでいるのと、不要な部分は流し読みになると思いますが一度は目を通しておきます。
本来は今回と同じように、明細書の翻訳をして、4月にはレベル感を測るためにトライアルを受験する予定でした。
ただ、今回で4月まではあと1ヶ月あるとはいえ、公開訳にまだまだ勝てておらず、それどころか誤訳が散見される状態なので、このタイミングで受ける意味はないと判断しています。
トライアルを受けるはずだった時間をこの基礎固めにつぎ込んで、再度明細書の翻訳学習に戻る予定です。
とにかくレベルを上げるのみです。
2/23の予定
- 公開訳との比較を終わらせる (6h)
- 対訳学習の手じまい(2h)
- バイオ基礎学習スケジュールを決める+学習(6h)