「違和感の解像度を上げる」
「ビデオセミナー2781号:違和感ノート」にて、
昨日の記事にアドバイスを頂きました。
ありがとうございました。
違和感には程度があって、当業者の感覚に近づけば近づくほど
違和感の解像度が上がっていって、細かな差が見えてくるようになる。
そんなお話でした。
早速、「違和感ノート」を作成しました。
まだ、2つの絵を見比べて「間違い探し」をしているくらいの
荒い解像度しか持っておらず、
「間違い見つけた!」て喜んでいる子供のレベルです。
なぜ違和感を感じたのか。
なぜ他人はそこでミスをしたのか。
自分はどう対処すべきか、どうすれば同じミスをしないか。
「違和感ノート」へまとめることで、自分のミス防止にもつながりますね。
対訳学習2回目のまとめ
2回目の公開訳を利用した対訳学習が終わりました。
(もう少しだけ、資料の整理をしたり関連特許を読みます。切りがないので時間を区切って)
- 原文タイトル:Solderable polymer thick film conductive electrode composition for use in thin film photovoltaic cells and other applications
- 原文:US9024179B2(約2600ワード)
- 公開訳:特表2014-524100
- 内容の要約:太陽電池用の電極材料である導電性ペーストと、太陽電池の電極形成方法に関する。特定の組成と比率のバインダー樹脂を採用することで、導電性を確保しつつ、はんだ付け性を改善させ、基材との密着性を高めた電極を形成することができる。
1回目の対訳学習の最大の反省点は
類似特許の読み込みが足りず、また対訳収集をしなかったため背景知識に乏しく、
結果として翻訳作業・見直し作業に時間がかかった
ことでした。
今回は類似特許の読み込み、対訳収集を行うことで
スピードアップを図りました。
掛かった時間を比較します。
1回目 (約3700ワード) | 2回目 (約2600ワード) | |
前処理、調査 | 約4時間 | 5時間45分 |
対訳収集 | なし | 16時間40分 (1)13時間10分 (2)3時間30分 |
実翻訳作業 | 18時間15分 | 5時間30分 |
見直し | 13時間30分 | 4時間20分 |
上記の合計 | 35時間45分 | 32時間15分 |
公開訳と比較 (上記以外の学習時間) | 29時間40分 | 14時間 |
備考:
- 対訳収集(1)は約2500ワード、同一の出願人の類似特許。自分で1文ずつ訳して、公開訳と比較しながらTradosへ組み込みを行いました。
- 対訳収集(2)は約5900ワード同一の出願人の類似特許。こちらはほぼ機械的にTradosへ組み込みました。
掛かった時間から分かること
今回は前回の3700ワードよりも更に短い、約2600ワードのものでした。
ワード数を考慮すると、実は前処理から見直しまでに掛かった合計時間は
前回より増えています。
先週1週間の振り返りの記事にて、
「スピード、理解力、どちらも1回目より上がっています。」って書きました。
・・・すみません、嘘つきました。
この時、前処理から見直しまでのトータルの時間で考えていませんでした。
そして理解力については、
「何となくスムーズにできた」という漠然とした感覚を
「理解力が上がった」と漠然と表現していました。
純粋な翻訳スピード(上記の表の「実翻訳作業」)だけで見ると、
確かに大幅に改善されました。
ワード数の違いを考慮しても、
翻訳スピードと見直しに掛かる時間は半分ほどに短縮できています。
(2回目を、1回目の0.7掛けくらいで計算しています)
ただその分、準備に時間をかけ過ぎました。
具体的には対訳(1)の収集作業に時間をかけ過ぎたために、
「本末転倒」な状況になりました。
何が問題だったのか
対訳収集の結果、1割ほどが100%マッチになり、
純粋な新規部分は半分ほどになりました。
類似特許の内容を理解しつつメモリに取り込むことで、
翻訳スピードが上がるということを今回実感しました。
「対訳収集したらスピードはどれほど上がるのか?」を確かめることも
今回の目的だったので、この意味では目的は達成できました。
但し、今回全体的なスピードを上げるという目的は達成できませんでした。
下記2点が問題だったと思っています。
問題1:モードと時間を意識していなかった
対訳収集(1)の際は完全に学習者モードで進めていました。
1文ずつ理解しながら進めていたことが、時間のかかった原因です。
これはこれでもちろん「学習」としては良いのですが、
今回の対訳収集の主な目的としては
「翻訳者モードで全体的な翻訳スピードを上げること」
だったので、もう少しある程度で見切りをつけて進めるべきでした。
(今の段階でスピード向上を目指すのがまず間違いなのかもしれませんが)
問題2:類似特許を検索するときのキーワード選定ができていない
問題1は、この問題2から派生しているかもしれません。
今回、同一出願人でほぼ同じ内容の明細書を対訳収集したことで、
翻訳メモリの有用性を認識することができました。
ただ、調査当初、その特許のキーワードとなるものが見えておらず、
背景知識の獲得のために読んだ日本語の特許明細書の内容が
今回の翻訳対象の内容と少しずれていたな、と後になって気づきました。
具体的には、今回は導電性よりも
はんだ付け性や接着性にフォーカスしていた明細書だったのですが、
それらをキーワードで検索せず、ざっくりと「導電性」「太陽電池」などで
検索していました。
原文タイトルに「solderable polymer thick film」とあるのに、です。
特許明細書の原文をもう少し理解した上で作業を進めたら、
より類似性の高い明細書を検索できて理解も進み、
対訳収集の時間も短縮できたのではないかと思います。
今後の方針
次の3点を意識して行います。
- 何を目的として今対訳学習をしているのかを明確にする
- 作業時間の見積もりの精度を上げる(今回、現実離れした見積もりを立てていました)
- 原文のキーワードを見抜く(ポイントを速く、正確につかめるように)
と言いつつ、次はトライアルシリーズ(半導体)に取り組む予定です。
もともとは、10月いっぱい対訳学習に充てて11月にトライアルシリーズ、
11月半ばにトライアル応募と考えていました。
ですがやはり、今の段階でどれだけ差があるのかをまず把握しておいた方が
その後の軌道修正に時間が取れるので良いだろうと考え直しました。
対訳学習は、その後再開します。
7月にトライアルシリーズのDシリーズまでは学習を進めていました。
その当時はあまりに差がありすぎて、
「これは正直今はどう考えても受からないだろうな」と思っていました。
今回はその差を埋めて超えるべく、
あと1か月少し、全力で取り組んでいきたいと思います。
学習記録
10/9(火)の学習記録
学習時間:6h15m
*ブログの時間の半分(30分)含む
項目: 対訳学習(まとめ+ノート整理)
目標: 6h30m 実績:4h45m
メモ: 予定:類似の特許(日本語)を5件程度ざっくり読む
→3件をざっくり。中途半端で終わってます。
項目: 違和感ノート作成+分子量分布について調べる
目標: - 実績:1h
10/10(水)の学習計画
項目: 対訳学習で打ち出した読んでいない資料などの整理
目標: 1h
項目: トライアルに向けての学習(半導体)
目標: 4h30m