日々の学習記録

自分自身にドロップキック

トライアル応募準備、その直前にて

自分の訳文と公開訳との比較作業を進めています。

電圧がapplyされようが電極層がapplyされようがお構いなしで

すべてのapplyが「付与」と統一されていたり、今回もなかなか楽しめています。

 

ですが、今日は自分の誤訳について取り上げます。

これが、トライアル応募直前の実力です。

同じミスをしないよう、戒めのために書きます。

もしトライアルで同じようなミスをしていたら、

思いっきりコメント欄から石でも投げてください。

 

自分のミスパターンについて考える

素材はこちらからです。

  • 原文:US20120192649A1 (約2800ワード)
  • タイトル:Mems vibrating-beam accelerometer with piezoelectric drive
  • 公開訳:特開2012-159494
  • 公開訳タイトル:ピエゾ電気駆動部を備えるMEMS振動ビーム加速度計

肝心の文章はこちら。

原文:

The first tine 40-1 includes a doped silicon base 120 that is covered on most or all of a top surface (having a normal perpendicular to direction of oscillation) with an insulation layer 144 (e.g., Si silicon dioxide (SiO2), aluminum trioxide (Al2O3), tantalum pentoxide (Ta2O5,), silicon nitride (Si3N4)).

公開訳文:

第1歯40-1は、ドープシリコンベース120を含み、これは頂部表面(振動方向に垂直な法線を備える)のほとんどまたは全てが、絶縁層144(たとえば、Si シリコン酸化物(SiO2)、アルミニウム三酸化物(Al2O3)、タンタル五酸化物(Ta2O5)、シリコン窒化物(Si3N4))により覆われる。

自分の訳文:

第1の歯40-1は、大部分の又は全ての表面を覆っている(振動方向に対して垂直な法線を有する)ドープしたシリコン基部120を含み、絶縁層144(例えば、Si、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、五酸化タンタル(Ta205)、窒化ケイ素(Si3N4))を有する。

自分の訳文(修正後):

第1の歯40-1は、大部分又は全ての上面(振動方向に対して垂直な法線を有する)が、絶縁層144(例えば、Si 二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、五酸化タンタル(Ta205)、窒化ケイ素(Si3N4))に覆われているドープしたシリコン基部120を含む。

図面の説明の箇所からの引用です。

First tine 40-1はFig2の左側全体、 doped silicon base 120は青色部分、

絶縁層144は緑色部分を指しています。

 

この文章での誤訳(問題点)は、下記の通りです。

  1. 文章の修飾関係が不明瞭な書き方になっている。それが見直しでチェックできていない
  2. 何が起こっているのかイメージせずに、わかっていない状態で訳している
  3. イレギュラーなことが発生すると、それに神経を集中させてしまい他への注意が疎かになる

 

詳しく見ていきます。

1.文章の修飾関係が不明瞭な書き方になっている。それが見直しでチェックできていない

 

歯40-1と呼ばれる部分にはドープしたシリコン基部120が含まれていて、

そのドープしたシリコン基部の上面は絶縁層で覆われている、という位置関係です。

英文的にも平易ですし、位置関係も把握していました。

 

ですが、私の訳文では絶縁層が歯に含まれているのか、

ドープしたシリコン基部に含まれているのかが不明瞭になっています。

何となくすっと読めてしまう、発展途上のAI翻訳が生成したような文章です。

 

ここで問題なのは、なぜこれに見直し時に気が付かなかったのか?です。

原因は、訳抜けがないかと意味が通るかの2つの項目を

紙の上で線を引きながら一度にチェックしたのですが、

訳抜けがないかに集中してしまい

「意味が通るか・イメージできているか」のチェックが疎かになっていたことにあります。

また、チェックは黙読で行っていたので、

声に出して読んでみたら何かおかしいことに気付けたかもしれません。

 

ですので対策としては、

  • 「意味が通るか・イメージできているか」を単独でチェックする
  • 声に出して読む

この2点を行うこと、そして全体的な見直しスキームそのものの見直しを行います。

 

2.何が起こっているのかイメージせずに、わかっていない状態で訳している

 

特に、having a normal perpendicular to direction of oscillation

(振動方向に対して垂直な法線を有する)の部分です。

この明細書には、垂直方向やら軸方向などの言葉が多く登場し、

作用している力の方向や今何が起きているのかがわかっていないと

途中でついていけなくなってしまいます。

 

その都度イメージして、落書き程度の図を書いたりして確認をしている

「つもり」でしたが、後で考えてみると

「わかってないけど何となく雰囲気でわかったつもりになっている」

箇所がいくつかありました。

 

この部分もそうです。

下の図は、昨日公開訳と比較している時にこの部分を図解したものです。

今の理解では、

電圧が長手方向(軸方向)に印加されると、その直交する向きに振動する。

シリコン基部の上面は、振動方向に対して垂直な面であるから、

基部表面上を軸方向に走る線は、「振動方向に対して垂直な法線」と言えるのか・・・

とかなり曖昧です。

いや、曖昧とぼかすのが悪いですね。わかってません。

 

応力やら軸力やら共振周波数やら、いろいろ調べたのですが、

どうも繋がっていません。

繋がらないのは、そもそもの基礎ができていないところに

付け焼刃で無理やり繋げようとしているから、繋がらないのだと思っています。

 

3.イレギュラーなことが発生すると、それに神経を集中させてしまい他への注意が疎かになる

 

今回の文章で、絶縁層の構成材料の例がこのように書かれていました。

・・・with an insulation layer 144 (e.g., Si silicon dioxide (SiO2), aluminum trioxide (Al2O3), tantalum pentoxide (Ta2O5,), silicon nitride (Si3N4)).

えーっと、このSiって何だろうか。

もちろんケイ素(シリコン)を示しているのは分かるんですが、なぜここに?

これはおかしい、指摘しないといけないな、どうやって?

などと考えていて、他のところに注意が向かなくなってしまったことも

1.で挙げたような単純なミスをしてしまった原因だと思っています。

 

これは、日常生活や仕事でも私は結構やらかしてます。

書類のチェックで、「間違えそうなポイント」はじっくり1語1語チェックするのに

単純な数字の打ち間違いにかえって気が付かないことが良くあります。

 

「引っかかった部分があればその周りに漏れがあると思って必ずチェックする」ことを

翻訳スキームノートには書きましたが、果たしてこれでどこまで意識できるか、

正直何とも言えない部分があります。

 

ちなみに、この謎の「Si」をどう処理するかですが、

まずこのSiをどう見るか、考えられるのは下記3パターンかと思います。

  1. Siの後ろのカンマが抜けている (Si, silicon dioxide (SiO2)~の誤り)
  2. Si(silicon), silicon dioxide (SiO2)~の誤り
  3. 不要な語である(silicon dioxide (SiO2)~の誤り)

 

翻訳時に私は①のパターンだと決めつけて

カンマが抜けていると考えられる、とコメントを付けたのですが、

そこに確たる根拠があるわけではありませんでした。

 

検索すると、②のパターンで列挙されることが多いようですが、

だからと言ってここでもそれが当てはまるわけではありません。

なのでここでは、公開訳のようにそのままにしておいて、

コメントで指摘するべきなのかなと考えています。

 

 

こんな状態ですが、明日にはまずトライアル応募します。

もちろん、合格するつもりで受けます。

 

*投稿後追記:修正後の訳文を載せるのを忘れていましたので追加しました。

学習記録

11/9(金)の学習記録
項目: 対訳学習(公開訳との比較続き)
目標: 6h     実績:6h10m

11/10(土)の学習計画
項目: 応募準備(CV改定など)
目標: 6h    

項目: トライアル関連ビデオのノート作成
目標: 4h    

項目: 対訳学習(公開訳との比較続き+その他)
目標: 5h 

POSTED COMMENT

  1. 黒豆納豆 より:

    いよいよトライアルに応募されるんですね!!

    影ながら応援しております!

    • asa より:

      黒豆納豆さん、ありがとうございます!!
      文字通りの自己ベストで頑張りたいと思います。
      まずトライアルが送られてこないと話にならないので、
      只今CVを最終調整中です。