トライアル

本気に対するフィードバックは、人をさらに本気にさせる

トライアルの合格通知を頂いていた翻訳会社さんから先日、

提出したトライアル課題文に対するフィードバックを頂きました。

 

このトライアル、

「これだけやって落ちたなら本望だ!」

というくらい本気で取り組みました。

 

その「本気」に対するフィードバックを受け取って、さらに本気になりました。

なぜなら、

「これ、よく合格したな」

と思えるミスをしており、客観的な自分のレベルを知ることができたからです。

もう一つは、早く実ジョブを経験して、もっと成長を加速させたいという思いが強まったからです。

 

今日はそんな「フィードバックから得たこと」をお話します。

 

フィードバックの内容

今回、特許、産業翻訳、そしてチェッカーと大きく分けて3つの課題がありました。

それぞれにフィードバックを頂きました。

(チェッカーについては、「解答例」という形です)

 

冒頭で「良く合格したな」と思ったのは、

実は明らかな誤訳を1カ所、していたからです。

それ以外に、チェッカートライアルで1カ所、

「絶対に指摘すべき」ミスの指摘ができていませんでした。

 

他にもいくつかありますが今日はこの2点に絞って、

なぜミスが起こったのか、今後どうすれば良いのか考えます。

 

もちろん、課題そのものを取り上げる訳にはいかないのでだいぶぼかして書きます。

 

ミス1: 「大坂駅」

チェッカートライアルでのミスです。

解答例を見て、文字通り目が点になりました。

 

1カ所指摘漏れをしていた箇所。

それは私が会社の業務で毎日のように目にする言葉だったからです。

大阪駅を毎日使っている人が、

駅の案内が「大坂駅」になっているのに気がつかないレベルです。

 

ミスの原因は?

もちろん、チェック項目を分けて複数回チェックしました。

それでも漏れていたのは、「なじみのある言葉」であったため、その言葉に全く注意が向いていなかったためです。

固有名詞ですが、「知っているもの」としてネットで検索して裏取りをしていませんでした。

誤っている方の言葉自体は存在するので、校正ソフトのJust Right!でも引っかかりませんでした。

 

今後の対策は?

次の2点を取り入れていきます。

  • 「固有名詞のチェック」というチェック項目を別途設け、必ず裏取りをすること
  • 「音声読み上げ」で第三者的な視点でチェックすること

 

「音声読み上げ」については、自分の訳文については取り入れていたのですが、チェッカートライアルの課題文に対しては使用していませんでした。

ただ、読み上げたところで今回かなり微妙な差なので、気づかないこともありそうです。(「おおさかえき」のような同音異義語にはそもそも使えないですしね)

ですので、「固有名詞」については頭の中の辞書を参考にせず、裏取りをすることを徹底していきます。

 

ミス2: 「電車に乗るために家を出発して、風邪を引きました」

産業翻訳のトライアルでの誤訳です。

文法の理解と内容の理解の双方ができておらず、因果関係がおかしな文になっていました。

 

ちょっと苦しい例えですが、次のようなイメージです。

「電車に乗るために家を出発して、風邪を引きました」

普通に考えたら、風邪を引いた理由は家を出発したからではなく、電車に乗ってそこで風邪がうつったからですよね。

 

ミスの原因は?

今よくよく見ると、この文には自分が苦手とする(過去にミスをした)構文が含まれています。

トライアル受験中は、そのことにも気づいていませんでした。

つまり、「この文法は自分の弱点だから気をつけろ、他の訳例も見てみよう」というアラートが働いていませんでした。

 

ただ、本当の原因はやはり「内容理解があいまいだった」ことに尽きます。

受験当初は、背景知識を補充して、文章の流れを追って、図を追いかけて、わかったつもりになっていました。

 

ただ、本当にわかっていたのなら今回のミスは絶対にしないはずです。

今、「解答例」として記載いただいた訳例を見たら、「そりゃあそうだよね」と納得します。

そこで述べられている「仕組み」のおおよそは理解できているけれど、自分の訳文のおかしさに気づけていないのですから、やはりわかっていなかったのです。

つまり、「わかっていないこと」がわかっていなかったことが最大の原因でした。

 

今後の対策は?

次の2点から対策します。

  • 自分の訳文を図解化して人に説明できるか確認する
  • 苦手な構文はgoogle patentsなどから表現を拾って使い方・訳し方をマスターする

ひとつひとつの工程を人に説明するように図解化していたら、この箇所で「あれっ?」とわかっていないことに気づけた可能性は高いです。

特に、空気・水・電気などの「流れ」はどこからどう流れて、その結果何が起こるのかを人に説明できるレベルで理解していないと、本当に理解したことにはならないのだと痛感しました。

フィードバックを通じて得たこと

今回いただいたフィードバックは、本当に貴重なものでした。

「得たもの」はとても多いのですが、まとめるとこんな感じです。

  1. 客観的な自分のレベルを知ることができ、もっともっと早く成長しなくてはという危機感を持てた
  2. 審査側がトライアルのどこを評価するのかを少し知ることができた
  3. 早く実ジョブを経験したいという気持ちがますます強まった

 

1: 客観的な自分のレベルを知ることができ、もっともっと早く成長しなくてはという危機感を持てた

本気で取り組んだ結果の提出訳文に、明らかな誤訳があった。

当然指摘しなくてはならない部分を指摘できていなかった。

この事実を知ったことで、確実に自分の中でがつきました。

結果としては合格でしたが、「どのレベルで合格したか」で見ると、

恐らくかなり下の方だろうな、と思います。

 

次のトライアルはノーミスで合格するように、

そしてこの会社から実ジョブを頂けたら、「お、意外とやるじゃん」と思って頂けるように。

勉強量もそうですが、自分の弱点をしっかり補強しながらレベルを底上げしていかなくては、という気持ちを新たにしました。

 

2: 審査側がトライアルのどこを評価するのかを少し知ることができた

フィードバックを見る前に、指摘される箇所を予想しました。

それは提出前にぎりぎりまで悩んだ箇所です。

 

実はその箇所については、今回全く指摘されていませんでした。

そして、上で挙げた2点以外で、「ちょっと違和感が・・・」という指摘がありました。

そこは、「言われてみれば確かに」なのですが、全く意識をしていなかったので、「そういうところをチェックされるのか」という気づきがありました。

 

また、ポジティブなフィードバックも頂きました。

それは特別なことでも何でもなく「当然のこと」なのですが、そこを評価されたことで、きちんとやる人が少ないのだということがわかりました。

 

3: 早く実ジョブを経験したいという気持ちがますます強まった

正直、フィードバックのファイルを開くのにとても緊張しました。

ビデオセミナータイトルを見て、「あっ・・・(自分のブログ記事からだなこれ)」となる時とはまた違う緊張感です。

これが、実ジョブに対するフィードバックだったら、当然もっともっと緊張するでしょう。

でも、その分深く学べるはずです。

(もちろん、フィードバックがないことが一番なのでしょうけども)

 

「実ジョブが一番成長できる」と講座受講生・卒業生の方もよくおっしゃっています。

お客様がいて、対価としてお金を頂くということ。

前は、「私がその緊張の連続に耐えられるのだろうか」なんて考えていたこともありました。

ですが今は、「早くその緊張感の中で自分を成長させていきたい」という思いが強いです。

もちろん、お客様に満足して頂ける納品をすることが第一です。

 

そのために何をしたら良いかを考えて、学習だけに専念できる貴重な時間を無駄にせず、「来たるべき時」のために準備をしていきます。