読書

変化を加えて、思い込みの壁を破ろう:「限界の正体」ブックレビュー

今、何かに一生懸命取り組んでいるけれど限界を感じている人。

やりたいこと、やらなきゃいけないことはあるけれど私には到底無理だ、と思っている人。

 

元陸上選手・為末大さんの「限界の正体」という本が現状打破のヒントになるかもしれません。

私も最近この本を読んで、先がみえないもやもやとした気持ちから抜け出すことができました。

 

この本を読むと、次の2つのことがわかります。

1.「限界」は自分自身が作り出した思い込みであること

2. 限界を突破するには現状に少し変化を加えることが大切

それでは、本の内容を少しご紹介します。

 

限界の正体とは

あなたが限界を感じるのはどんな時でしょうか。

おそらく次のどちらかだと思います。

(1)全力で頑張っているけど、目標に届かない

(2)やる前から「私にはできない」と思う

例えば、TOEICという英語の試験がありますね。満点は990点です。

目標の900点を超えるべく、600点台からコツコツ努力して、ついに3年後には850点をとれるようになった。

でも、どうしてもそこから先に上がれない。850点がきっと自分の限界なんだろう。

これは(1)の、「全力で頑張っているけど、目標に届かない」パターンですね。

 

それに対して、「私は英語は苦手だから、TOEIC900点なんてとれるはずがない」と思って試験にすら挑戦しないのが(2)のパターンです。

 

本には「限界とは自分の作り出した思い込みである」と書かれています。

(2)のように、「私は英語が苦手だから無理」と思うのは、まさに思い込みですよね。

 

では(1)のように、何度も挑戦したけれど、やっぱり無理と感じた場合。

これも思い込みなんでしょうか。

 

例えば、あなたよりも英語ができなかった友人が、900点を超えたらどう思いますか。

彼女ができたなら私にもできるのでは、と思いませんか。

そして実際に、何度か挑戦を繰り返して突破することができるはずです。

 

本では、「1マイル4分の壁」という話でこのことを説明しています。

4マイル(約1609メートル)を4分未満で走るのは、長らく人間には不可能と考えられていました。

その記録を1人が破ったら、同じ年に何人もの選手が「1マイル4分の壁」を破ったという話しです。

この「1マイル4分の壁」こそが、「無理だ」という人間の思い込みで作られた壁だったのです。

 

このように、限界というのは「無理だと思う自分の気持ち」、つまり「思い込み」によって生まれているのです。

 

限界を突破するために

先ほどのTOEICの例でも、「1マイル4分の壁」でも、「目標到達は不可能じゃない」と思えたら、私たちは目標達成のためにどうしたらいいかを自然と考えます。

もう少し勉強やトレーニングを積み重ねたら、届くはずだ。

そう思って努力を積み重ね、実際に自分の限界を突破できることもあるでしょう。

 

ただ、今までと同じ努力を積み重ねても、思うような結果につながらないこともあります。

また、どうしても努力だけでは達成できないこともあります。

その時に必要なのが、変化を加えるという考え方です。

 

本では、おおきくわけて次の2種類の変化について書かれています。

  • 視点を変えることで、新たな気づきを得て目標を達成する
  • 目標そのものを変えてみる

 

視点を変えることで、新たな気づきを得て目標を達成する

陸上選手が他のスポーツをトレーニングに取り入れていることがありますよね。

あれは、あえて違う動きをすることで、自分の競技での体の使い方についての気づきを得て、パフォーマンスの改善を図っているのです。

 

TOEICの点数を上げたいのであれば、例えば試験と直接関係ないオーディオブックを聴いてみたり、あえて最後の問題から解いてみたりすることがこの「変化」に当てはまります。

そういった変化を積極的に取り入れることで、今までにない発見があって、それが限界の突破に結びつくことがあります。

 

本では、日常に少し変化を取り入れることを薦めています。

いつもと違う席に座るとか、そういった小さなことです。

また、他の業界の人に会う、スケジュールを決めずに旅行をするなど、積極的に想定外が置きそうな環境に身を置いてみることで新たな気づきを得られます。

よいことは習慣化して毎日続けることが大切ですが、たまには日常に少し変化を取り入れることも大切なのですね。

 

また、他人のアドバイスも「違う視点」の獲得のためには有効です。

一流のスポーツ選手は自分の体のことを知り尽くしています。

それでもコーチを必要とするのは、私たちはどうしても自分のことを客観的に見ることができないからです。

それが、思い込みにつながっていることもあります。

ただ、人の話を盲目的に信じてしまうと、それもまた「思い込み」につながってしまうので、自分はこう思うがどうだろうか、と「自分の考えを持った上でアドバイスを受け入れる」姿勢が大切ですね。

 

目標そのものを変えてみる

著者の為末さんは当初100メートルの選手でしたが、その後400メートルハードルに転向し、銅メダルを獲得しました。

100メートルの世界で頂点に立つためには努力だけでは叶わず、持って生まれた資質も大切な要素になります。

ハードルであれば、戦略的な要素が入るので持って生まれた資質をカバーすることができます。

同じように、限界を感じた時は少し目標を横展開して、自分がより能力を発揮しやすいフィールドに軸足を移してみると成果が得られるかもしれません。

 

とはいえ、「自分の能力を発揮しやすいフィールド」なんてわからないという方が多いのではないかと思います。

私もそうです。

その場合は、やったことのないことや、苦手だなと思うことにあえてチャレンジしてみましょう。

「苦手だな」と思うことに取り組むことで、今自分のやっていることに応用できる新たな気づきを得られることもあるからです。

 

まとめ

「限界」は自分自身の思い込みによって生まれた壁です。

その壁を突破するためには、「変化」を取り入れることが有効です。

まずは今日1日、なにか1つでも、いつもと違うことをしてみましょう。

そこに思いがけない発見があるかもしれません。

 

「限界の正体」は200ページほどのボリュームで、1時間ちょっとあれば読めると思います。

今回は書き切れなかったのですが、「結果がでやすい目標設定の仕方」など、目標に向かって努力をしている方へ向けたヒントも豊富です。

現状に限界を感じている方、新しいことへ挑戦したいけどためらっている方に特におすすめの一冊です。