1週間のまとめ

2020年第13週目のログ:リミットブレイク

学習記録

  • 前回の翻訳学習関係
    • 対訳との比較の続き
    • ミスを再度洗い出し・対策を練る→もう一度ミス分を翻訳→再度ミス洗い出し・チェックスキーム更新
    • 「Trados組み込み時にぶつ切りになるのがうざい」問題を(だいたい)解決
  • E’storage2020(試用版)を試しつつ、英文明細書の内容をつかむ練習
  • 新しい翻訳学習(背景調査→翻訳 1557w/19211w)
  • 明細書を読む(日本語・4件/英語:3件・おおよその内容把握まで)+その他書籍などで学習
  • 翻訳の布石と定石 (前の翻訳学習で弱点だと思ったところを学習)
  • トライアル応募準備

 

トータル学習時間:104.5時間(ツール操作・トライアル応募準備を含めて)

「足りないところ」を補う1週間

今週は、先週ほぼ終わらせていた公開訳のある明細書(約23000ワード)の翻訳を通じて見えてきた「足りないところ」を補充しつつ、応募準備を進めました。

その過程で、いろいろと見えてきたことがありました。

ここでは、ミス対策と、ツール(Tradosの設定、E’storage2020の試用感想)について書いておきます。

 

ミス対策の効果

公開訳との比較を終えてから、「知子の情報」に入れていた今回の題材で発生したミスをもう一度全て見て、ミスの傾向をつかむためにグルーピングしました。

その後、対策を考えて翻訳時のチェック項目、翻訳後にまとめてチェックする際のチェック項目などを見直して、再度ミスした分を翻訳。そこでも間違えた分について、再度徹底的にミスの原因と対策を考えました。

この過程で、自分のミスパターンは以前より断然クリアになりました。

ミスパターンは目の前に貼りだしてはあるのですが、これだけ徹底的にやるとやはり頭にもすりこまれます。

 

ミスの原因は何かというと、まとめてしまうと内容理解の欠如、論理的な考え方の欠如、文法理解力の欠如ということになり、これは以前からそれほど認識は変わっていません。

例えば、栄えある(?)ミスパターン第1位は「A and B for C」というパターンです。CはAにはかかっていないのに、「CのためのA及びB」と解釈してしまっています。

適当に例を挙げると、「食材を保存するための包丁及び冷蔵庫」という文章に違和感を感じていない状態です。

これは結局、包丁と冷蔵庫そのものの意味、そしてそれらの関係性、用途などが見えていないことになります。

この理由は、それぞれの言葉の意味が完全に理解できていないことに加えて、そもそも「関係性」を考えて文章を読んでいない(日本語を含めて)ことが根本的な原因です。

 

今、新しい題材で翻訳を進めています。

チェックスキームとして、上記の問題をチェックする項目も入れ込んではいますが、今回の翻訳では自然と単語やある程度まとまったフレーズの関係性を考えながら翻訳ができており、「ミスパターン」が出てきたら「お、出てきたな!」と脳が反応します。

まだ問題はあるでしょうし(今日も翻訳中さんざん悩んだ箇所があったので)、スキームもこれから常にアップデートしていく必要があります。

それでも、今回の「ミス撲滅作戦」ではこれまでにないほどの効果を感じました。

一番の効果は、「ゼロにはならないかもしれないけれど、それでも改善できる」ということを実感できたことです。

これまでの積み上げか、目先のトライアルで勝利の女神を絶対にゲットするという強い気持ちからかわかりませんが、課題はまだ山積みでも「ちょっと進んだ」感が得られたのはとても大きいと思っています。

 

Trados組み込み時のぶつ切り現象を改善

先週のログにも書いたのですが、前回の翻訳学習で、文献名などの途中のピリオドによってTrados上で文章がぶつ切りになって、それを統合(10行くらいを一度に)すると修復不可能なエラーになってしまう、という状況に直面しました。

いろいろ試して、「とりあえず」の形に落ち着いたので、どなたかの参考になればと思いメモしておきます。

講座のビデオや何やらですでに話があったり、ジョブをこなしている人からしたら「知らんかったん?」という知識かもしれませんが、恐らく皆さん一度は同じ状況を経験して、「うざっ」と思うはずなので。

 

解決したいこと

Trados上で意図しないところで文が切れて違う文節になるのを防ぎたい

(文節の統合で統合するのも面倒+複数行を統合すると修復不可能なエラーになりやすい)

解決方法

翻訳メモリの設定を変更する

(1)「分節規則」から「colon」を削除する→コロンで切れなくなる

(2)「略語リスト」に、よく出現する「ピリオドで終わる略語」を追加登録する

 

翻訳メモリに、どこで文を区切るかを決めている「分節規則」という設定があります。

デフォルトでは ピリオド、!、?、:のあとにスペースがある場合に改行というルールになっているようです。

ただし、「略語リスト」に登録されている略語は、ピリオド+スペースで終わっても「ピリオドまでを含めた単語」とみなされて区切られません(と私は理解しました)。

例えば、Fig. U.S. Jul.などが区切られないのは、それが略語リストに入っているからだと思われます。

それに入っていない、例えば大文字のFIG. だと区切られてしまいます。

 

略語リストは追記可能です。

なので、「よく出てくるものを略語リストに追記」することと、「コロン+スペースで区切る」というルールを削除することで、ある程度「意図しないぶつ切り」を避けることができます。

略語リストへの追記

Trados2017での説明になります。

翻訳メモリの設定から変更します。

翻訳メモリから該当のメモリを右クリック、またはプロジェクトの設定→翻訳メモリと自動翻訳→設定などから、下の翻訳メモリの設定の画面に遷移します。

下記画面はクリックで拡大します。

 

画面コピーがやっつけで申し訳ないです。

言語リソース→略語リスト→編集をクリックして、でてきた小窓の一番下に追加したい用語を追加して、OKで閉じます。

黄色で囲ってある部分が追加したものです。

これで、これらの用語でぶつ切りになることはなくなります。

 

分節規制のコロンの削除

設定箇所は、翻訳メモリの先ほどの略語リストと同じところにあります。

翻訳メモリから該当のメモリを右クリック、またはプロジェクトの設定→翻訳メモリと自動翻訳→設定などから、下の翻訳メモリの設定の画面に遷移します。

下記画面はクリックで拡大します。

言語リソース→分節規制→編集をクリックして、colonを選択して削除します。

これで、「コロン+スペース」で分節が区切られることがなくなります。

 

ここまでたどり着くのに参考にさせていただいたブログ記事があります。

com2blogさんのおすすめの英日翻訳メモリの基本設定 という記事です。

2015年の記事なのでTrados2014を使用されているのですが、少なくとも2017では設定方法は同じでした。この記事からどこに分節規則の設定があるのかを知り、コロンの削除方法を知り、「この略語リストも使えるのでは」と思った次第です。

自力ではたどり着けなかったと思うので、とてもありがたかったです(分節規則の追加など、私はそこまでやれていないのですが、興味のある方は参考になると思います)。

 

注意点としては、翻訳メモリごとの設定になるので、ひとつのプロジェクトで複数のメモリを使うときは、全てのメモリの設定を変更する必要があります(いろいろ試した結果、恐らくそうだろうという結論になりました)。

また、あくまで対症療法的な形なので、ぶつ切りになってしまったものは念のため保存をしてから統合したり、キチンとやりたい方はTrados組み込み前に別途作業をして組み込んだり、というステップが必要になるでしょう(私も別途、チェック工程をかませることにしました)。

それでも、少しは手間とストレスが減るのではないかな、と思います。

 

E’storage2020試用版について

E’storage2020の試用版(30日有効)をダウンロードして使用しています。

(以前はE’storage2016を使用していました)

正式版を買うかどうか、実はまだ様子見です。

というのも、「安定していない」というのが現時点での正直な感想だからです。

 

ダウンロードが途中で止まってしまうことが多いのと、pdfダウンロードはpro版のみであるということ、試用版はpro版なのですがpdfがダウンロードできたりできなかったりといった感じです。

データ採取元の Espacenetのほうが安定していないのかもしれません。

いろいろ条件を変えてみて、もう少しテストしてみます。

 

よいこととしては、やはり従来通りキーワードや日付などで検索して、一括して抽出できる、ということです。

今週はキーワードを変えながら、どんな特許があってどこに注目しているのかを、検索結果のリスト(タイトル、出願人、Abstractなどが出力されます)から少し追いかけていました。

 

2016からかなり使い心地は変わっています。

試用版は30日間無料なので、興味のある方は一度ダウンロードしてみてください(簡単なマニュアルもついているので、操作に困ることはありません)。

 

来週の予定

トライアルに1社応募します。

その間に現在取り掛かっている翻訳学習(前回とは少し分野をずらしています。バイオ・メディカル系ですが)、明細書の読み込みなどを進めます。

トライアル課題文が来なければ、次のトライアルの応募準備をします。

 

ここからどうでもいい話ですが、タイトルの「リミットブレイク」で反応する人がどれくらいいるか気になります。

FF7(ファイナルファンタジー7)というゲームで出てくる必殺技です(その後のシリーズでも出てくるのかもですが)。

リメイクというニュースを見て思い出しました。

高校生の頃、初代FF7をやってました。好きなゲームのひとつです。

敵から受けたダメージが蓄積されるゲージがあって、そのゲージがいっぱいになると「リミットブレイク」状態で必殺技を繰り出せます。

 

ここまでため込んできたものを、トライアルの課題文を頂いたら全て出し切ります。