対訳漬けの3連休、終了
対訳学習を進めています。
慣れていないからか、
化学の勉強をしていたり日本語の明細書をひたすら読んでいる時と比べて
疲労感が半端ないです。
2000ワード?そんなの朝飯前、って言ってみたい、
いや早く言えるようにならなくては。
今取り組んでいるのはこちらの太陽電池の電極に関する特許明細書です。
- 原文タイトル:Solderable polymer thick film conductive electrode composition for use in thin film photovoltaic cells and other applications
- 原文:US9024179B2(約2500ワード)
- 公開訳:特表2014-524100
まとめる段階までたどり着けていませんので、今日は対訳学習中の気づきを少し書きます。
原文ミスもミラートランスレーション?
今回の公開訳は、とても丁寧に訳されているなという印象を持ちました。
自分の訳との比較をしていて、原文の意味を反映しつつも、
読みやすい日本語になっているなと感じることが多く
逆に「自分の訳はどこが読みにくいのだろう」と考えていました。
ただ、原文のミスまで忠実に反映されているんですよね。
明細書から引用します。
原文:
As a comparison, two standard compositions, each containing only one resin, were used in Comparative Experiments A and B. The standard composition used in Comparative Experiment A contained silver flake with an average particle size of 5 μm and a range of particle size of 2 to 12 microns and a polyester resin polyester resin (available from Shell Chemical) but not the two resins used in Example 1.
公開訳:
比較として、各々一つだけ樹脂を含有する2つの標準組成物を比較実験AおよびBにおいて使用した。比較実験Aにおいて使用された標準組成物は5μmの平均粒度および2〜12ミクロンの粒度の範囲を有する銀フレークと、ポリエステル樹脂ポリエステル樹脂(Shell Chemicalから入手可能)とを含有したが、実施例1において使用された2つの樹脂を含有していなかった。
この文、いろいろ引っかかるところがありました。下記に3点挙げます。
1.polyester resin polyester resin
原文のオレンジの部分は明らかにミスだと思うんですが、
(一応そういう化合物があるのかと調べました)
公開訳ではそのまま訳されていますよね。
これは勝手な憶測ですが、
翻訳者の方も恐らくコメントを付けたのではないかと思います。
どういう事情でそのまま公開されているのかはわかりませんが、
この原文のミスはコメントで指摘しないといけないミスですよね。
2.単位のばらつき(μmとミクロン)
青字にした部分です。
これは原文がこうなってるからそう訳さざるを得ないんでしょうけども
同じ文章の中でばらついていると気になります。
とは言え、これを勝手にどちらかに合わせてしまうと指摘を受けますよね。
この明細書では
例えば原文がwt% なら重量%、weight percentなら重量パーセント、
と合わせていました(一部ずれている部分もありましたが)。
「どこまで原文に忠実に訳すか」の線引きができないのは、
多くの訳例にあたっていないからに他ならないわけですが、
仮にあり得ない単位がくっついていたら
やっぱり指摘するべきだろうな、
機械的なミラートランスレーションじゃやっぱりいけないよな、
などと思いました。
3.5μmの平均粒度および2〜12ミクロンの粒度の範囲を有する~
ここの「および」は「かつ」の意味だと捉えていたので違和感がありました。
平均は5ミクロンでも
その中に0.5ミクロンのものや20ミクロンのものなどが含まれていて、
大きさにばらつきがあったら組成物の性質は変わってくる
(実験の結果が変わる)と思うので、
ここは「かつ」のほうが正確なのではないかと考えました。
たぶん、あれですね。
人から見えないところのどうでもいい寝ぐせばっかり気にして、
眉毛書くの忘れてた、みたいなことになっているような気が、
しないでもないです。
学習記録
10/7(日)の学習記録
学習時間:12h50m(ブログの時間の半分を含む)
項目: 対訳収集(5900ワード)
目標: 3h 実績:3h30m
メモ: ほぼ純粋な「収集」作業
項目: 対訳学習(2500ワード)
目標: 11h 実績:8h30m
メモ: 5h30m:実翻訳時間
1h:見直し(途中まで)
その他:取りづらい対訳を取っていて途中でやめたりなんだり
10/8(月)の学習記録
項目: 対訳学習
目標: 14h30m 実績:14h
メモ: 4h20m:見直し
9h40m:公開訳との比較
10/9(火)の学習計画
項目: 対訳学習(まとめ+ノート整理)
目標: 6h30m
メモ: 類似の特許(日本語)を5件程度ざっくり読む
(今回の特許との違いを確認しながら)