おやつ禁止令発令中
最近はおいしそうな「おやつビデオ」の誘惑を振り切って、
隙間時間にも主食系をがっつりとかじっています。
とは言えこれがなかなか食べ応えがあるので、欲張ると消化不良に陥ります。
今日はちょっと「消化」を助けるために、隙間時間で聴いたビデオの話をしてみます。
「ビデオセミナー934号:辞書に載っていない・ググっても出てこない専門用語の調理法」です。
このビデオを未視聴で、タイトルからして面白そうだと思った方は
まずビデオを聴いてみてください。30分ほどです。
ここから盛大にネタばらししますので。
(と思いましたが今日はそこまでいってません。正解はCMの後状態です)
元ネタが元ネタだけに、他の言葉に置き換えようかと思いましたが
うまい言葉が見当たらなかったので、そのままいきます。
「残遊」という言葉があります。
前後の文脈はわかりません。
辞書にも載ってません。検索もほとんど引っかかりません。
さあ、どうやってこの未知なる言葉に切り込みますか?
自分のアプローチと管理人さんのアプローチ、
差は一体どこにあるのか、検証してみました。
私のアプローチ
1.頭がパーティクル状態
まずは、私がどう切り込んでいったかについてです。
この言葉を見た瞬間、私の頭の中は微粒子がふわふわと飛び交いました。
最近その方面の明細書や資料と何かと縁があるからかもしれません。
2.素直に検索
そのまま「残遊」で検索すると、明らかに違うものばかりがヒットするので、
フレーズ検索に切り替えます。
わずかですが、「たぶんこれだな」というものがヒットします。
例えば下記2件です。
医薬品製造装置、食品製造装置に関わる製缶品やプレハブ配管において、バフ研磨や電解研磨処理後の表面を脱脂洗浄等で落とし切れないバフカスや、製品加温時に浮き出てくる残遊物を、事前に除去し、顧客へ製品を提供することを目的とした洗浄等で実施致します。(鈴正工業株式会社HPより)
近年、半導体製造を頂点とし、精密機器製造、光学機器、薬品、病院関連などクリーンルームを使用している企業は増加の一途をたどると共に、その製造加工の微細化、高密度化の進行は著しいものがある。それに伴いクリーンルーム内の製造環境も清浄空間維持への要求が一層厳しくなり、作業環境に残遊する塵の問題が製品の品質管理、歩留り向上を図る意味からも重大視されている。(特開平6-339542より)
ここで、自分の頭に浮かんだものと一致していることがわかりました。
3.省略形?
次に「残遊」という言葉は「残留遊離」の略ではないかと思い、検索しました。
すると、google先生が途中で「残留遊離塩素」という言葉をサジェストしてきます。
通常のand検索ですと160万件ほど、フレーズに限定しても370件ほどヒットしたので、
これが「正解」なのかなと思いつつ、次にJ-platpatで残留遊離と残遊を検索しました。
4.特許庁データベースの検索
残留遊離と残遊を含む検索結果は0件でした。
(「残遊(残留遊離)」というような検索結果を期待したためこの検索をしました)
残遊のみで検索して、それっぽいものを拾います。
ヒットしたのは、大体このあたりで防塵マスク関連が複数ヒットしました。
- 塵埃の残遊(防塵マスク・特開平11-241252)
- 転写残遊離粒子(プリンタのクリーニング装置・特開平11-38848)
- 器体下部の残遊空間を有効利用して使い勝手を向上する(特開平8-322724・電気湯沸かし器)
一番下の「残遊空間」はちょっと使い方が違いますね。
ヒットしたのは古い特許ばかりです。今は使われない言葉なんでしょうか。
今は「残留遊離」と使っているのだろうか、と思い残留遊離 and 防塵マスクなどでデータベース内を検索しましたがヒットせず。
「残留遊離 and フィルター」でヒットした結果には
上記の防塵マスクに関する明細書はなく、
「残留遊離塩素」や「残留遊離基(残留遊離〇〇基)」などがヒットしました。
ここまでで私の出した「結論」は下記の通りです。
- 残遊とは、残留して遊離している微粒子を指すことが多い。その他「余っている空間」の意味でも使う
- 残遊=残留遊離とは一概に言えない。(少なくとも、塵やほこりの残遊を残留遊離と言っている例が見当たらない)
平日昼間の「禁断の隙間時間」の20分くらいを使って調べていたので、
いろいろ抜けはあると思います。
何よりコンテクストがわからないので、何とも言えないんですよね。
管理人さんとの差は一体どこにあったのか。
長くなってしまったので後編は明日に回します。
→つづきはこちらです。