化学・物理

銅イオンの価数の謎

ひとまず解決

これまで、電子の軌道への入り方を何度か学習してきて、徐々に「わかってきた!」感があったんですが、「あれは例外だから」といって放置していた銅について、ずっと心に引っかかっていました。

前にも書いたな、と思って自分のブログを検索すると、ありました。

岡野の化学(105)にて鉄の電子配置の話があり、そういえば、と思い出しました。ビデオセミナー「1160_岡野の化学・特別授業(Cu+,Cu++)」の存在を。

いつか見よう、と思っていたら見なくなるので、予定を変更して銅イオンの価数のもやもやを解消すべく、視聴しました。

 

まず、銅の何がそんなにおかしいのか、復習してみます。

電子は従順な人間のごとく、ルールに従って所定の軌道に収まっていきます。

  • フントの法則:電子は出来るだけ1つの軌道に1つづつ入る。
  • パウリの排他原理:1つの軌道に電子は2個までしか入らない。入る時は逆向きに入る。
  • 入るのに楽な(エネルギーの低い)軌道から入っていく

このルールを銅は思いっきり無視しているのですよね。

(https://www.ptable.com/?lang=ja#Orbital)

4s軌道のほうがエネルギーの順番が低いので、本来は4s軌道を2つの電子で埋めてから3d軌道を埋めるのがルールですが、4s軌道には1つしか入っていない状態で3d軌道が先に埋まっています。

これについては、3d軌道がすべて埋まった状態の方が安定するから(軌道として閉殻状態になる)ということで納得しました。

 

ただ、まだ解決していない問題があります。銅イオンについてです。

銅は1価と2価のイオンになります。そして、2価のほうが安定だということです。

1価のイオンは、最外殻の4s軌道の一つの電子がイオン化するということでわかるのですが、2価のイオンとは一体何なんでしょう?どの電子が次にイオン化するかといえば、3d軌道にある電子となるのですが、わざわざ閉殻状態で安定しているところから取らなくてはなりません。逆に不安定になりそうですよね。

とはいえ、実際に2価のイオンのほうが安定しているというのですから、そこには銅なりの「安定の理由」があるということになりますね。

 

その理由について、ビデオセミナーでひとまずはクリアになりました。(もっと奥は深いようなのですが、ひとまず、ということで)

電子は安定の方向に動くというルールがありますが、自分ひとりの安定ではなく、原子全体としての安定を追求するんです。ますます人間臭くなってきました。

原子全体としての安定には、会社の人間関係をどうやってよくするかを考えるのと同じで、様々な要因を紐解いていかねばなりません。

一番大事なところを端折りますが、次の2つの要素から、銅は2価のほうが全体として安定になるようです。

  • 遮蔽効果:原子核に近い電子が、カーテンのごとく外側の電子を原子核のクーロン力から保護する。そのため外側の原子ほど、原子核のクーロン力の影響を受けない。
  • 電子同士の反発:電子はマイナスの電荷をもっているので、お互いに反発する。d軌道に10個もの電子があれば、そこには相当の反発力が存在する。それは、閉殻によって得られる安定化効果を上回る。

総合的に、d軌道に10個電子があった方が安定なのか、それとも一つだしてしまった方が安定なのか。原子核と電子全体の電荷の綱引きでちょうどいいバランスになるように電子は配置され、イオン化します。

ノートに原子核との距離と、エネルギーの順番について書いてまとめました。

 

実は講座で取り上げられていた資料、見覚えあるなぁと思ったら自分でも以前ノートに貼り付けていました。ただ、その時にはなぜd軌道から電子が出ていくのか理解できず、ふせんをつけていました。

これでひとまずふせんが外れました。ノートにはまだまだふせんがありますが、取れるとうれしくなりますね。

 

参考サイト:

  • http://hattorigawa.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-688b.html
  • https://staff.aist.go.jp/a.ohta/japanese/study/REE_ex_fc2.htm
  • http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q62.html

4/20(金)の学習記録

学習時間:6h30m
項目: 岡野の化学(103)金属の性質 (残り5%)+昨日の復習
目標: 30m                      実績: 25m

項目: 岡野の化学(104)
目標: 2h                         実績: 1h30m
メモ: ビデオ冒頭で話があった、壁にカレンダーに予定を書き込む、読む本を書いておくのを土曜日にやる。やろうと思っていてずっとサボっていた。今やらなくていつやる。

項目: 岡野の化学(105)演習問題
目標: 2h      実績: 1h50m

項目: 橋元の物理(1)
目標: 3h?     実績: 未完了
メモ: 計画を変更。銅のイオンの価数のビデオを視聴してまとめる

項目: 昨日のアルミクラッド材からの疑問点or講座を進める
目標: 1h20m  実績: 2h45m
メモ: →内容変更:銅のイオンの価数のビデオを視聴してまとめる

4/21(土)の行動計画

項目: 昨日の復習+昨日見た銅の電子配置に関する資料をまとめておく
目標: 1h 

項目: 橋元・物理基礎(1)
目標: 2h30m  

項目: 橋元・物理基礎(2)
目標: 2h30m

項目: 岡野の化学(106)分子の極性
目標: 2h30m 

項目: 岡野の化学(107)無極性分子
目標: 2h30m 

項目: 岡野の化学(108)分子間に働く力 or 明細書を読む
目標: 2h30m

項目: 作業の時間 展示会関連の情報まとめなど+壁にカレンダーを設置する
目標: 1h30m