訳語確定の試行錯誤

hydrogen containing plasma はプラズマか水素か

翻訳に没頭中

台風ががっつり日本列島を横断していきそうですね。

通り過ぎるのは早いんでしょうけど、進路上の方(ほぼ日本全域ですよね)

お気をつけください。

 

さて、昨日はだいぶ翻訳作業にはまってました。

1時間ごとに翻訳したワード数を計測しながらやってるんですが、

我ながら単純なことに、「可視化」すると俄然やる気が出るもんです。

よっしゃ、次の1時間はこれ以上やったるで、と。

3700ワードほどの後半部分を訳していたので、

前半よりスピードが出るのは当たり前といえば当たり前なんですけど、

脳が「自分は成長してる」といい感じに勘違いしてくれているので、

その勘違いに乗っかっていこうと思います。

hydrogen containing plasma

今、対訳学習に使用しているのはこちらの特許明細書です。

  • タイトル:Method and apparatus for reducing copper oxidation and contamination in a semiconductor device
  • 原文(US6355571
  • 公開訳(特開2001-093902

短め+内容が大体わかりそう+面白そうで選んだんですが、

原文も公開訳も、いろいろと、いやかなり「ん?」と思うところはあります。

その中のひとつが今日のお題の「hydrogen containing plasma 」です。

 

水素含有プラズマ?

はたまたプラズマ含有水素?

 

水素とプラズマがどんなものかわかっていれば、答えは明確です。

hydrogen(水素):水素原子(H)または水素分子(H2)のこと

plasma (プラズマ):気体分子の一部が電離し陽イオンと電子に分かれ、電離したイオンと電子の他に原子・分子も混じって存在している状態のこと

なので、水素(分子・原子)を含んだプラズマということになります。

 

これが実は公開訳では、こうなってます。

  • hydrogencontaining plasma → 水素含有プラズマ
  • hydrogen containing plasma → プラズマを含む水素

ハイフンのあるなしは、原文側のミスで内容としては同じことを指しています。

これを見た時に、IBMレジストの対訳シリーズでの「あれ」を思い出しました。

 

あれって・・・?

 

これです。

(出典:keywordsuggest.org

この状態を示す英語は、

fish carrying eagle でしょうか。

eagle carrying fish でしょうか。

 

検索してみると一目瞭然ですが、「eagle carrying fish」と表現されることが多いです。

それでは、「fish carrying eagle」は「鷲を運ぶ魚」になるんでしょうか??

 

そんな魚がいたら、見てみたいもんです。

私たちの住む世界の常識では、鷲を運ぶ魚はいないですよね。

なので、こちらも「魚を運ぶ鷲」ということになるでしょう。

(もしかしたら「fish」が人の名前という大どんでん返しもあるかもしれませんが・・・)

 

そこで、hydrogen containing plasmaに戻ります。

(公開訳)

  • hydrogencontaining plasma → 水素含有プラズマ
  • hydrogen containing plasma → プラズマを含む水素

なぜ「訳し分け」をしたんだろうなと考えると、

「A containing B」は Bを含むA、「A-containing B」は Aを含むB

という文法的な解釈のみで訳語を確定したのでは?と推測されます。

 

もちろん、原文が統一されていないのは問題ではあるんですが、

「プラズマを含む水素」はないよなー、「鷲を運ぶ魚」だよなこれ、

と、今の私は、思います。

 

 

実は、3か月ほど前の私は、同じことをしていました。

文の切れ目と思い込み思い込みの罠にはまる 昨日はひたすらトライアルに向けた学習を進めていました。 「これはチェックシートに入れ込めば防げるな」というミス...

このブログでの説明がわかりにくかったなと今見直して思います。

この時にやってしまったのは「鷲を運ぶ魚」と同じミスです。

文法のみに囚われ、その言葉の意味やコンテクストを考えず、

常識的にどうなのかも考えず、とにかく「何も考えて」ませんでした。

 

この時、管理人さんからは「頭大丈夫ですか?(意訳)」と

厳しくご指導いただきました。

 

当時ももちろん反省しました。

ですが今になって、この時の過ちがどれほど翻訳者として致命的なものなのかを

深く深く実感しています。

 

先は長いですが、それでも3か月前と比べると別人です。

学習記録

9/29(土)の学習記録

項目: 対訳学習  
目標: 13h    実績:14h20m
メモ: 公開訳と比較→翻訳作業続き(とりあえず完了)

項目: 求人検索とCV改定  
目標: 2h     実績:-
メモ: 今日に積み残しです。

実翻訳時間:7h30m/1965語
(262語/時間)

9/30(日)の学習計画

項目: 対訳学習  
目標: 10h   
メモ: 公開訳と比較+その他
   (multiterm登録・ノート整理など)

項目: 求人検索とCV改定  
目標: 2h     

今日の目標:いつもより1時間以上早めに寝ること+掃除をすること

体力的にバテ気味です。天気のせいですかねー