日々の学習記録

違和感の森で迷子になる

どこから切っても違和感

11月に入りましたね。

急に寒くなってきました。

風邪ひきが会社でも増えてます。皆さまもどうぞお気をつけください。

 

そんな中、私は季節外れのハイキング中にちょっと迷子になっております。

対訳学習中に「どこから切っても違和感しかない」一文にぶち当たり、

抜けられなくなってしまったからです。

 

ただ、昨日夜思ったように時間が取れなかったのもあり、

自分の中でも結論が出ていません。

どちらかというと違和感というより勘違いや思い込みかもしれませんが、

考えたことを書いていきたいと思います。

 

やっぱり、文の係りに弱い

今回の素材は、前回の「プルーフマス」と同じ明細書です。

まずは原文のみ記載します。

In another example, a method of making an accelerometer that includes masking a substrate that comprises a material with a photoresist, and removing at least a portion of the material from the substrate to form a plurality of features on the substrate.

 

MEMS加速度センサーの製造方法に関する一文です。

パッと見た時に、レジストでマスクしてエッチングして基板上に

プルーフマスなどの微小な構造物を形成することを言っているのだな、と思いました。

ただ、よくよく文章をじっくり眺めると、何かがおかしい・・・

 

私がまず引っかかったのは、上記で太字にした

masking a substrate that comprises a material with a photoresist

という部分です。

 

はじめ、次のようにこの文章を見ていました。

masking a substrate that comprises a material with a photoresist

that以下がsubstrateを修飾していると思ったんですね。

こうすると、「フォトレジストを含む材料からなる基板をマスクする」となります。

 

いやいや、ちょっと待って。

フォトレジストを含む材料からなる基板って何?

そもそもここでいうmaterialってシリコンとか圧電材料とかだと思ってたけど

違うのだろうか。

(明細書の他の部分にはシリコンや圧電材料を材料とすると記載があります。)

それに、レジストはむしろマスクする方だよなぁと思っていた時に、

文章の切れ目が間違っていたのではないか、と思い至りました。

 

そこで、次のように文章を区切り直しました。

masking a substrate that comprises a material with a photoresist

材料を含む基板をフォトレジストでマスクする。

 

「フォトレジストでマスク」は意味が通るのですが、

やっぱり「substrate that comprises a material」がどうにもしっくりきません。

「材料を含む基板」という言い方に違和感を感じるのです。

私の理解では、下の図で言うと

substrate = シリコン基板

material = MEMS構造を作るもの(下の図では構造層)です。

(出典:東京大学生産技術研究所 年吉研究室

一般的に、シリコン基板上に形成されたセンサーなどの構造物

(上記最後の図の「可動構造」)を含めてsubstrate(基板)だとも言えると思います。

ただ、ここでは製造プロセスの説明をしているので

substrateはやはりシリコン基板そのものを指していると考える方が自然だと思いました。

 

色々煮詰まってきたので、

「substrate that comprises a material」という表現がそもそも使われるのか、

どういうコンテクストで使われるのかも少し調べました。

すると、”substrate that comprises a material”で検索すると出てこないのですが、

”substrate comprises material”とすると、400件程度ですがヒットします。

ただ、material selected from~とか、materialの説明が後ろにくっついています。

 

この後もmaskingについて考えたりなんだりあったのですが

全てを書くとあまりに取り留めがなくなってしまうので、

公開訳を見た時の違和感についても少し書いておきます。

原文:

In another example, a method of making an accelerometer that includes masking a substrate that comprises a material with a photoresist, and removing at least a portion of the material from the substrate to form a plurality of features on the substrate.

公開訳:特開2016-95301

別の例では、加速度計を製造する方法は、材料を含む基板をフォトレジストでマスクするステップと、基板から材料の少なくとも一部を除去して基板上に複数の特徴(機構、features)を形成するステップとを含む。

 

公開訳にツッコミを入れる前に、

まず自分の訳をどうにかしろというご指摘はごもっともですがツッコミます。

 

一番のツッコミどころは「features」ではないかと思います。

「形状」ではないかと思ったのですが、バネやら何やらの構造体を指しているので

確かに意味的には「機構」に近いのかもしれません。

ただ、かっこ書きで原文(features)を記載するのはありだとしても、

そこに他の訳文候補(機構)を入れるっていうのもありなの?とも感じました。

(このあたりは全く裏取りをしていない状態で書いています。)

 

書きっぱなしで、まとまりもない文章ですみません。

この明細書もきっちり読めていない(対訳吸い上げの素材としています)のと、

やはりこの分野の明細書の読み込みが全然足りていないので、

これだけ迷ってしまっているんだと思います。

 

「違和感の正体」は単なる勉強不足だった!

ということで今日はここまでです。

学習記録

10/31(水)の学習記録

項目: 対訳学習(対訳収集)
目標: 5h    
メモ:半分くらい違和感と戦ってました
   残業1.5h(今回は仕方なかったです)

11/1(木)の学習計画

項目: 対訳学習(対訳収集+翻訳作業)
目標: 6h30m