日々の学習記録

2年目7~9ヶ月目のまとめ:セイカイのないセカイで

光の速さで3ヶ月が過ぎ去りました。

少しの手応えを感じつつ、全然まだまだだと思いつつ。

限られた時間の中で、今何をすべきなのか。

今まで以上に迷い、苦しみ、そして時に喜びを感じたこの3ヶ月を振り返ります。

学習記録

期間:2019年7月15日~2019年10月27日

(2年目第26週~40週、計15週)

 

講座の学習等に費やした総時間:約1267時間 (前回:約1199時間・計13週

内訳(概算):

  • 純粋な学習時間:512時間(前回:727時間)
  • 実ジョブ:474時間(前回:292時間)
  • ブログ記事:103時間(前回:114時間)
  • その他(トライアル、読書、その他の第2領域):178時間 (前回:48時間)

 

主な学習内容:

  • 実ジョブ(メディカル/診断書翻訳)
  • 治験翻訳の学習(薬理学、統計、生理学、遺伝学などの基礎学習、対訳学習)
  • 実ジョブ関連の学習

 

その他:

  • メディカルライティング基礎講座の受講
  • メディカルジャパンへの参加
  • 翻訳祭への参加
  • A8フェスティバルへの参加

 

1-1.学習時間に関して

前回(4~6ヶ月目)の記録を付記しています(今回は15週分、前回は13週分です)。

ざっくり比較すると、前回の広義の学習時間(上記すべてを含めた時間)は1日あたり約13時間、この3ヶ月は約12時間と、1時間減っています。

これは実は意外でした。

もっと減っている感覚があったからです。

 

というのも、今振り返っても4~5月は異常な集中度で学習していましたし、この3ヶ月は夏頃にどうしてもいつも通り起きられなかったり、集中できなかったりという時期があったからです。

時間の割合としては、やはりジョブの時間が増え、その分学習時間は減っています。

その他の時間がぐっと増えていますが、これは9月末に集中して受けたトライアルが大きく影響しています。

 

ブログ記事は、かけた時間でいえばあまり変わっていませんが、記事数は大きく減らしています。

ログ、振り返りを除いた「記事数」で、前回は44記事、今回は33記事です。

特に、7月後半:9件、8月:15件、9月:5件、10月:4件・・・と後半になってだいぶペースが落ちています。

ブログについては、後半別途まとめます。

 

1-2. その他の活動に関して

今思うと、この3ヶ月は毎月のようにいろんなイベントに参加していました。

関東にいれば大体1時間前後で主要な展示会場には行けるので、このメリットは大きいなと改めて感じます。

 

そして、管理人さんが常々おっしゃる、「お金と時間をかけていくんだから、しっかり準備して投資分を回収せよ」の意味が、実ジョブを頂けるようになって本当に理解できました。

本来ならば仕事を請けて対価を得たり、仕込みの学習をしたりできる時間(とお金)を使って行くわけです。

自然と、「ただ行くだけじゃもったいない」と思って事前にきっちり準備をするようになり、得られるものも多かったです(反省も多々あるのですが、それは次に活かします)。

 

次の3ヶ月も、行きたいセミナー1件は既に申込みを済ませています。これは実は「会いたい人に会う」も兼ねているので、じっくり準備をしていきたいと思います。

 

肝心のジョブ、学習状況(新規開拓の状況)についてはそれぞれ次に書きます。

 

ジョブ:小さな成功体験の積み重ね

5月末から現在まで約5ヶ月、計45件の小さなボリュームのジョブを納品しました。

1件を除き、同一の取引先からの案件です。

分量ベースでいえば、中国語が7~8割、残りが英語です。

1件1件のボリュームは小さい(数百文字~4000文字程度)のですが、何だかんだで計約7万文字・ワード(中国語は文字で、英語はワードなのでざっくりですが)ほどを翻訳した計算になります。

そして、徐々に上がっていく時給換算の数値を楽しみにしつつ、次の目標を立て、目標通りに行かなかった場合はどこがボトルネックになったのか、分析して次に活かすようにしていました。

 

2-1:これまでの成果をグラフにしてみる

グラフ化したらなかなか楽しいことになりました。

計45件分の分量(棒グラフ・仕上がり文字数ベース)と時給換算(折れ線グラフ)の表です。

灰色の点線は時給の近似直線です。

一応、なんとか右肩上がりにはなっていますね。

ちなみに折れ線グラフのてっぺんでも1300円いっていないので、本当にまだまだではありますが、最近は「ちょっと苦戦したな」と思っても、そこまで落ちていないなという印象なので、さすがにベースは底上げされてきたと思います。

 

といいつつ、グラフ右側(最近)でも激しくガタガタしているのは英語の案件が増えてきたからです。

数をこなして経験とメモリがだいぶ蓄積されてきた中国語と比較すると、原文の表現に慣れず苦戦する英語はやはり、スピードが落ちます。

 

ちょっと悔しいので、中国語オンリーの案件のみにしてみました。

ちなみに右から3番目のおちびさんは既納品案件の追加で頂いたものです(これはこれで、ちょっとおいしい)。

これでみると、文字数の少ない案件はやはり時給には反映されにくい傾向にありますが、先ほどの案件全体のグラフよりも線形が若干上の方に来ています。

今後ボリュームが変わらない限り(おそらく、それほど変わりません)指数関数的に時給換算の数値が伸びることはないと思いますが、この線形のちょっと上を目標に設定して、引き続きスキーム見直し、メモリ構築、そして周辺知識の学習を進めていきます。

 

2-2:スピードアップの理由

仕事を頂き始めたころ、暗号のような原文を目にして、「これは原文のミスか、それとも?」と悩みに悩んだことが何回もありました。

今でももちろん悩みます。

ですが、以前と比較すると、明らかに「これは原文ミスだろうからコメントをつけて返そう」までの判断が早くなっています。

いろんな原文ミスパターンを見てきたのもありますが(気がついたら右肺にあった腫瘍が左肺へ瞬間移動していることも・・・)、「これだけ調べてないものはない」といえるだけの自信がついてきたことが大きいです。

また、いろんな検査成績書などを横断的に見る必要があるのですが、以前より内容を理解できてきている分(その所見が何を示すのかなど)、原文の矛盾に気づきやすくなったように思います。

これらのことが、間違いなくスピードアップにつながっています。

当たり前ですが、「理解して訳すのが一番早い」んだなあと改めて思いました。

 

新規開拓:手応えを感じたものの、道半ば

さて、ジョブの方はわりと順調に推移してきたのですが、新規開拓の方はまだ目立った結果は出ていません。

 

当初10月中旬を予定していたトライアルを、9月末に前倒しして3社受験。

そして今週1社から不合格通知を受け取りました(現在進行形で別の1社のトライアルに取り組み中です)。

今回受けているトライアルも含め、すべて大まかには治験翻訳と呼ばれる分野です。

 

なぜこの分野の学習を突如始めたかというと、将来(だいぶ先ですが)のメディカルライターへの布石という意味もありましたが、主な理由は「今のジョブとの関連があって、ある程度限定された分野の仕事でかつボリュームのある仕事」を狙っていきたいと思っていたからです。

(もっといえば、イートモという強力な武器の存在も決め手でした。プロの訳語を参照にできるなんてぜいたくすぎます。)

そしてそれは、その当時まだまだ苦戦していた中国語の実ジョブを進めつつ、全く別の案件が飛んでくる可能性が高い英語の特許翻訳・その他の産業翻訳で進めてしまうとそれこそ「空中分解」してしまうのでは?という不安があったからです。

 

まずはネット上で入手できる薬事申請関連文書を日本語で読み理解度を確認、その後薬学、統計学、生理学の基礎を学習しました。

文書の意味がわかるレベルになったと判断して添付文書(これが一番入手しやすいと思うので)の対訳学習を進め、少し前のめりながらもトライアルに応募しました。

受験当時は「曖昧な箇所はない」レベルで内容を把握できたので、「いけるんじゃないか」と楽観的な気持ちがありました。

3社のうち1社不合格の状態ですからどうなるかまだわかりませんが、客観的な評価を知ることができました。

不合格トライアルはきっちり見直しして次に活かします。

 

ブログ:積み上げた記事とこれからの目標

冒頭の通り、この3ヶ月(特に9月、10月)はブログ記事の投稿間隔がかなり空いてしまいました。

ただ、特に9月中旬からは、投稿頻度を落としてでも長めの記事を書こうと意識していました(実際に9月中旬からの記事の文字数は4000~6000文字ほどです)。

 

記事が長くなったからかどうかわかりませんが、更新頻度を落としてもPV数はあまり落ちていません。

2018年1月(ブログ開設1ヶ月時点)から現在までのPV推移です。

2019年5月にガツンと上がったのは、おそらく4~5月に集中的に記事を書いていたからだと思います。そこからは、よくいえばほぼ安定、若干上昇といったところでしょうか。

10月はちょっと特殊な事情(特定の日に集中して読まれた記事がある)があるのですが、その分を差し引いてもこれまでの最高でした。

 

この3ヶ月に書いた記事で、気になったものをピックアップしておきます。

 

読まれる記事の上位陣には変化がありませんが、やはりノーベル賞がらみの記事は最近の投稿にもかかわらず健闘しています。

低酸素応答の仕組みとHIF-PH阻害薬【2019年ノーベル生理学・医学賞から調べてみる】

これは「話題に乗っかったらどうなるだろう」という実験の意味もあり、さらに記事中で言及したエリスロポエチンも学習中に出てきたこともあり「学習したことがノーベル賞に関係している」という素朴なうれしさもあって記事にしました。

 

こちらの記事も読まれています。これは少し紹介していただいたことが大きいのですが。この本は本当におすすめですので、是非どうぞ(アマゾンの在庫も復活してます。2019年11月2日時点)。

翻訳者になるには?と考える前に読みたい本 ー「翻訳とは何か : 職業としての翻訳」

 

さらに、意外とこの記事も読まれてます(自分の過去についての記事です)。

惰性で長く付き合うのは時間の無駄です【10年近く無駄にした実体験を語る】

ただ、この記事に限らず、読んだ人が求めている情報が記事に書かれているかというと疑問に思うことがあります(特にどんなキーワードで検索されたかを確認すると、「ズレ」がわかります)。

 

ですので、今後は「読者が求めている記事を書く」ことに焦点を当てて記事を書いていく予定です。

将来的にはブログからいくばくかの収入が得られ、ライターとしても対価を頂けるような記事が書けるようになりたいと思っています。

そのためには「読まれる記事を書く」スキルが必要です。

まずは翻訳者として安定稼働させることが最優先なのは変わりませんが、「書く力」は翻訳力にもつながりますし、コツコツ積み上げていきたいと思います。

 

マインド:正解はどこにもない

この3ヶ月、実ジョブがなんとか安定的に推移しているという「ちょっとした成功体験」を得つつも、それ以上に苦しむことも多かったです。

それは主に、「今何に時間を振り分けるべきか」を今まで以上に求められたことと、そして高く掲げすぎた「理想の自分像」と「現実」とのギャップで苦しんだことからです。

 

7月~8月初旬にかけては案件が途絶えることがあり「何かやらかしたのでは」と気が気ではなくなることもありました。

8月中旬からは、ほぼ継続的に案件を頂けている状態です。

 

こうなると、さてどうなるでしょうか。

「とりあえず仕事は継続的に来てるから」と「目の前のジョブをこなすモード」に入ってしまいがちです。

立ち上げ当初はフルパワーで実ジョブにがっちり向き合うことがもちろん大切だと思いますが、少し余裕が出てきたら次の仕込みをしておかないと、安定稼働なんてとても見込めません。

 

とはいえ、ジョブももちろん疎かにはできないし、打診を受けたものはなるべく受けたい。新規開拓はもちろん必要。基礎的な勉強もまだまだ。そしてブログも強化したい。そのための勉強もしたいし、その他いろいろ読みたい本もある・・・。

この状態の中で、「今本当に何をすべきなのか」にフォーカスして行動できていたかを振り返ると、「とりあえず実ジョブをこなすモード」に甘えていた時期や「漠然と時間を使ってブログ記事を書いていた」時もありました。

 

ここまでやってきて思うのは、「ジョブをこなしつつ余った時間で次の仕込みをしよう」なんて悠長なことを言っていたら、やっぱり上にはいけないだろう、ということです。

取引先との良好な関係を維持しつつも、自分の時間を戦略的に確保する。そして確保した時間で何をするか前もって決めて、集中して学習する。

 

時間は自分で奪いに行く、作り出すものであって、「時間を有効活用しましょう」なんて甘っちょろいもんじゃないんだ、プロの世界は。

これが、この3ヶ月で実感したことの一つです。

 

そしてさらに、自分の選択に対して「本当にこれでよかったのか」と考えることもありました。

選択とは主に分野・言語の選択のことで、特許翻訳に絞るべきではなかったか、むしろ中国語で新規開拓した方がよかったか、などです。

これって結局、「これから翻訳の勉強を始めるんですけど、どの分野に需要がありますか」と某掲示板で聞いているのと根本的には同じですよね。

 

「え、この道合ってるの?この先行き止まりなんじゃないの?」

「もっと通りやすい道があるんじゃないの?」

自分で勝算があると見込んで「自己責任」で飛び込んでも、やはり「この道で合っているのかどうか知りたい」という気持ちが何度となく湧き上がってきました。

でも、「合っているのか」なんておそらくこの世を引退するくらいにようやく本当にわかることでしょうし、そもそも「合っているかどうか」なんてどうでもいいと今は思います。

 

違う道をとっていたら、もっと早く安定稼働していたかもしれない。

でも、未来のいつか、「あの時あれをやっておいてよかった」と思う時が来るかもしれない。

 

大切なのは、自分の目指す場所に向かって全力で1日を生きること、そしてその大まかな方向に自分が向かっているのかどうか、日々確認して調整を繰り返すことだと思います。

そして、全然これまで頭になかったことでも何か引っかかったらやってみるとか、「これだ!」と思って飛びついてやってみたけど、何か違うなと思ったらひとまず手放すとか、もっと柔軟にものごとを捉えていきたいと思っています。

 

「目指すべき場所ははるかかなたである」ことは事実なのですが、一歩一歩、すこーーしずつ近づいているのもまた事実です。

この期間、マインドを高めようと上を見すぎて立ちくらみを起こしてしまったことが何度かあったのですが、そもそも上を見たって自分のマインドは上がりません。

小さな「成功体験」の積み重ねで自己肯定感を高めつつ、「次はあそこを目指そう」と小さな目標を設定してクリアしていく、その積み重ねでマインドは変わっていくものだと思います。

これであれば私にもできます。

なので、自分のマインドは(サボらない限り)変えられるはずだ、と今は確信しています。

 

この先3ヶ月の行動方針としては、大まかにいえば今のジョブをなるべく控えめにして、必要な学習も含め、新規開拓を最優先にすることです。

治験翻訳に限らず、特許・その他の産業翻訳も含めて定期的に(3週間に1社程度)、トライアルを受けていろんな可能性を探ります。

 

おわりに:機長 兼 操縦士 兼 客室乗務員

講座卒業まで、3ヶ月を切りました。

延長期間はありますが、2年で結果を出したい、そう思ってやってきました。

現時点で卒業時に求める結果は「売上月30万が見込めること」「2社以上で安定稼働していること」です。

これはかなり現実的な数値です。だからこそ必ず達成すべき目標として設定しました。

ここを目指しながらも、その先もずっと自己成長できる翻訳者となるために、残りの3ヶ月を駆け抜けます。

 

フリーランスというのは、ひとりで飛行機を操縦しているようなものだと思います。

操縦桿を握るのも、計器を見るのも、非常事態に備えるのも、そして心身の健康を含めたもろもろの環境を整えるのも、すべてひとりでやらなくてはなりません。

現状、まだ管理人さんが計器を見て、墜落しないようにいろいろとアドバイスをしてくださっている段階です。

残りの3ヶ月で完全にひとり立ちできるように、そしてこれからの長いフライトを楽しめるように、全力で取り組みます。

 

POSTED COMMENT

  1. K2challenger より:

    こんにちは、K2challengerです。

    翻訳祭、お疲れ様でした。
    MTPEの記事、大変興味深く読ませていただきました。
    また、今回の記事も私の私の心を代弁してくれているようで
    思わずコメントしてしまいました。

    私自身中国語と英語どちらも、と思っていても、
    心のどこかで「まずは中国語を固めてから」と思っていて、
    でももう一方で「それは『逃げ』なのでは?」と思ったり、
    中国語の案件がくると安心してしまって
    「もう英語はいいのでは?」と感じてしまい、
    1週間ほど中国語案件が途絶えると不安に感じて
    「やっぱり英語に行くべき?」などと揺れ動いている時期がありました。

    道は自分で作るしかないし、自分で歩くことでしか道はできないんですよね。。。

    トライアル、全力を出し切れることを祈っています。
    私もやるべきことを積み重ねて英語のトライアルに挑戦します。

    asaさんの挑戦にはいつも勇気をいただいています。

    • asa より:

      K2challengerさん

      コメントありがとうございます!
      そしてバザー、お疲れ様でした。

      私もK2challengerさんの記事を読んで共感することが多いです。
      頂いたコメントにも同感です。

      私たちには中国語・英語という2つの武器があるからこそ、
      取り得る選択肢の多さに迷ってしまうんですが、
      それは単一言語の方よりもいろいろな可能性があると
      言い換えることもできますよね。

      とにかくチャンスには乗っかってみて、そこから試行錯誤しつつ
      だんだん「方向性」が見えてくるようにになるのかな、と今は思っています。

      向こう数ヶ月、K2challengerさんが繁体字の大型案件に
      無事に取り組まれていることを祈っています。