34週目の記録
- 実ジョブ(英日特許翻訳)
変わり映えしない記録ですが、今週もひたすら鬼の仕事モードです。
次の案件も手元にあるのですが、9月は個人的な用事で時間を取られる日が数日あるので、前倒しで進めています。
うまい訳文にミスがあると残念感が増幅される
先週のログにて、できる人の訳文をゲットしてものすごく勉強になったと書きました。
今週も「ああ、なるほどなぁ、うまいなぁ」とメモりつつ進めていたのですが、「あれ?」と思うことが何度かありました。
というのも、タイポが複数見つかったからです。
なんというか、普通の人の口元にご飯粒がついているより、美人の口元にご飯粒がついているほうが残念に感じる、そんな気分になりました。
さらに、訳文のみを読んでいるときに、違和感を覚えた単語がありました。「里芋の煮っ転がし」のレシピに「さといも」ではなく「さつまいも」が登場していたような感じです。
「里芋の間違いだよな?いや、さつまいも入りもありなのか?」と原文をあたるとやはり里芋でした。
この単語、バイオ系案件であればそこそこ出てくる単語です。訳文を拝見すると、理解して訳されている方だとわかるので、仮に訳出時にミスしたとしても、読み直すときに「あれ?」と気づきそうなものですが・・・。
さらに、チェッカーの方もこれらをスルーした、ということですから、ますます謎が深まります。
ミスを防ぐにはどうしたらいいのか
えらそうに他人のミスを語りましたが、全然他人事じゃないです。
今回、自分は完全に他人目線で見ているから気づけたけれど、自分が訳した時に同じようなミスをして、さらにそれに気づかないということも大いにあります。
今回のタイポについては、wordの校正でも、Just Right!でも引っかかりませんでした。
過去によく発生するミスであればJust Right!に登録したり、個別にチェックすることで防げますが、新規のミスについては、タイポをすべて機械的にカバーすることは不可能でしょう。
としたら、やはり自分で読んで確認するしかないわけです。
音声で聴く、または音読するという手もタイポにはかなり有効だと思いますが、分量が多い案件だとなかなか厳しいですしね。
私はプリントアウトしてから一番始めに訳文全体を読む時は、紙を折ったものを使って下の方を隠して、1行ずつ確認するようにしています。
そのまま紙全体を目線だけで追っていくと、やはり「目が滑る」ことがあります。この方法だと確実にミスに気づく確率が上がります。
再度読み通すときは、紙で塞がずにある程度のスピードで読んでいきます。逆にこちらの方法で「なんかひっかかる」と感じることもあります。
それでも、人間どうしてもミスすることもあります。
だからこそ他者のチェックが必要になるわけですけど、チェッカーさんももちろん人間です。
見逃しはあるでしょう。ただ、あくまで体感的なものですが、見逃すにしても今回は多すぎるという印象を持ちました。
これについてはいろんな理由があるでしょう。
納期がタイトだった、新人さんだった、体調が悪かった、いつも完璧な訳を提出する人なのでチェックが甘くなっていた・・・などなど。
ただ、翻訳者側で頭に入れておくべきことは、「チェッカーさんももちろんミスを見逃すことがある」ということだと思います。
だからこそ、「自分が最後の砦である」という意識を持って、あらゆる方向から訳文を見直してベストで提出しなければなりません。
今回の案件はほんとうに「おいしい」案件でした。他人のミスパターンまでちゃっかりデータベース化させて頂いたので。
今回、「翻訳がうまい人でもケアレスミスはあるんだなぁ」ということを目の当たりにしたこと自体も収穫でした。
訳文のうまさでいえば、私は今回の翻訳者さんにはかないません。ですが、「ミスの少なさ」やその他もろもろを加味すれば、勝てる可能性は十分あります。
もちろん訳質のブラッシュアップを図ることも大事ですが、全体的な評価として「この人にお願いしたい」と思われるように小さな改善を積み重ねていきたいですね。